思考拡張日記。

日々感じたこと、学んだことを文章にしています。

【洋画】文学青年の憧れの物語『ルビー・スパークス』【感想】

 『ルビー・スパークス』は2012年の映画であり、ちょっと古い作品となるが、

昨晩初めて鑑賞した。

テレビでは『風立ちぬ』がちょうど放送されていたようだが、

この作品が面白かったのでよしとする。

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では、まずこの作品の内容を軽く説明しよう。

小説家のカルヴィンは、19歳の時に世間から「天才」と称されてデビューしたのも束の間、今では極度のスランプに陥ってしまい、何も書くことができずにいた。そんなある日、彼は通っている精神科医の勧めで、夢に現れた女性をヒロインにした小説を書き始める。すると、突如その小説のヒロイン「ルビー・スパークス」が現実世界に現れる。

 wikipedeaより引用

 

作家の主人公のもとに、自分が書いた小説の女の子が急に現れるという夢のような物語。文学青年ならば一度は妄想したことあるであろうストーリーだ。

最初カルヴィンは、自分が頭がおかしくなったのかと戸惑うのだが、その子が実際にそこにいて、周囲の人間からも見えるという事が分かり安心する。

それはそうだ。自分の書いた物語の少女が目の前に現れるなんて現実的に考えてありえない。

しかし、現状を受け入れてからは、自分が書いた理想の女の子だけあって、カルヴィンは夢中になる。

しかも、すでに恋人同士の設定となっていたため、両想いであり最高のシチュエーションだ。

 

二人は楽しい一時をともに過ごすのだが、次第にすれ違いも産まれてくる。

これは、男女の仲ならばよくあることだ。付き合っていようとも結局は他人であり、全て理想のままになることはない。

そこで肝心となるのが、相手を許せるかどうかだ。意地を張っていては悪い方向へ行く。

だが、主人公カルヴィンは彼女を許せなかった。

彼女を自分の理想のままにしたいという欲求にかられた。

彼女はカルヴィンが創り出した人物である。よって、小説を更に書くことによって彼女を意のままに操れるのだ。

どうにか自分の手元に置こう、好きになってもらおう、と小説を書き続けるのだが、

事態は良からぬ方向へと進んでいく。。。

 

観終わった感想としては、一応ほのぼのとした恋愛映画だ。

一応と書いたのは、人間の狂気の部分も多々描かれていると感じたからだ。

相手を自由に操れると知るとこうも人間は残酷になるのかと知った。

だがその結果、自分自身をも苦しめることにもなるのだと感じた。

人としての倫理に反することを行えば、その罪悪感に苛まれることとなる。

その苦しみを抱えたまま生きていくことの辛さとは計り知れないだろう。

 

さて、余談となるが、ここで一番の驚きのストーリーを話そう。

なんとこの主人公とヒロインは現実でも恋人同士なのだ!

ヒロイン役のカザンが脚本・制作総指揮を務め、更に、主人公役のダノも制作総指揮に携わっている。

恋人同士の二人が、恋人同士役の映画を作るとなると、

最終的なオチがハッピーかバッドかお分かりであろう(笑)