先日、外山滋比古の『思考の整理学 (ちくま文庫)』を読んだ。
出版から30年は経過していて、もはや古典と呼ばれている書だ。
帯に、東大・京大生が生協で一番購入した本だと謳われているが、
「おお、そうか。そのような賢いモノたちが手に取る素晴らしい本なのか。」とはならず、
「ふーん、くらだない」と学歴コンプレックスのような態度で読むのを見送っていた。
まあ、一応は手に取り、冒頭の部分だけは触れたのだが、当時は思ったよりも難しく感じ、これは読める気がしないなーと棚に戻した次第だ。
だが、それから1年ばかり経過した先日、読んでみると非常に読みやすく、「何だいい本ではないか!」と購入に至った。
内容としてはタイトル通り、頭の中の如何に整理していくかという事につき、
話は進んでいくのだが、その中でとりわけ、自分の心に響いた章があった。
それは、《とにかく書いてみる。》というもの。
考えをまとめようにも、なかなかにまとまらない。
いっこうに筋道が立たないというのなら、とにかく紙に書き出してみてはどうかという話だ。
しかし、いざ書くとなれば、よく書こうと思ってしまい、なかなか筆が進まない。
最初はそんなこと気にせずに、力まずに気軽に書いてみてくださいというものであった。
少しばかり引用してみようとおもう。
頭の中にたくさんのことが表現を待っている。それが一度に殺到したのでは、どれから書いたらよいのか、分からなくなってしまう。
ひとつひとつ、順次に書いていく。どういう順序にしたらいいかという問題も重要だが、そんなことに気を使っていたのでは先へ進むことができなくなる。とにかく書いてみる。
書き進めば進むほど、頭がすっきりしてくる。先が見えてくる。
もっともおもしろいのは、あらかじめ考えてもいなかったことが、書いているうちにふと頭に浮かんでくることである。
いかがであろうか。
実際、僕はブログを通して、かなり思考はまとまってきている。
ブログ開設の当初の目論見としては単にアフィリエイトにより収益が欲しいというものであった。
しかし今現在アフィリエイトによる収益がはゼロに等しく虚しいものではあるが、それよりも、自分の思考が整理された事への喜びのほうが大きい。
初めて書いた頃は、長文を書くなんぞかなり骨の折れるものであった。
しかし今となっては、長文を書くことは何の苦も感じない。
それよりももっと伸ばしてやろうかと思ってしまう。
幾らでも伸ばせるのだ。
ただ、それは駄文となり読むのを嫌にさせてしまうため、控えるようにしている。
さて、話は戻るが、この本には他にも魅力的なな項目は多数あり、全体を通して、かなり学びは多くなるだろう。
この一冊を読んだか、読んでないかで人生が大きく一変する可能性だって含んでいる。
それほどに影響力の大きい本であることは間違いない。
ただ、先に別の関連書も読んでいたため、知識の再確認というか、ああ、これはあの本にも書いてあったなという見方ではあった。ただ、出版年数としては、この『思考の整理学』が先であるため、この本から学んで書き上げた書なのであろう。