「本当に面白い事と言うのは、お金が掛からないんですよ。」
最初、この言葉に出合った時は、意味があまり分からなかった。
何をするにしてもお金は必要であり、遊びというものは、お金で買うものだとばかり考えていた。
どこでどんなサービスを受けるにしても、買い物をするにしてもお金は必要である。
この消費社会におていは、お金なくしては何も得られない。
喜びも、楽しみもお金が必ず必要だろう。こう考えていた。
まず、幸せの定義というもはお金を持っているか、持っていないか。それしか尺度はないと思っていた。
しかし、どうも違うのではここ最近思うようになってきたのだ。
■物質的満足よりも、精神的満足の方が永続する。
あれが欲しい、これが欲しい、もっともっと欲しいと、ブルーハーツの歌ではないが、物欲というものはキリがない。
何か一つ手にすると、次はあれだなと、別のまた目標物が決まる。
そして、それは無限に続いていく。そしてまた、一つ物が増える度に、それを管理するための別の物が必要となってくる。
例えば、洋服が増えれば、それを収納するタンスであったり、ボックスが必要となる。そのように、物が物を呼んで、どんどん増えていくのだ。
こうやってどんどん増えていけば、人生が面白くなるかというとそうでもない。
むしろ、物で溢れかえった部屋に嫌気がさしたり、整理することに時間を奪われ、自分を苦しめる結果となったりする。
お金を物より想い出に遣ってみる。
高価な物を買い揃えるよりも、誰かと食事をしたり、どこか心の安らぐ自然の中に出かけてキャンプをしてみたりと、想い出にお金を遣ってみる。
そういう経験にお金を遣うことは形として残らないため損をしているような気もするが、意外にも満足感がある。
あの時、あそこに行ってああだったよね、と想い出話に花が咲いたり、訪れた土地で面白い出会いがあったり、発見があったり、経験に勝る喜びというものはない気がする。
ここで、僕がお金を殆ど遣ってはいないが楽しんでいる事を紹介したいと思う。
お金が掛からない面白いこと。
■自分で料理をする。
料理はなかなかに楽しい。掛かる費用としたら、料理器具を揃えるお金と、食材費位だ。
最近は料理教室が流行っているようだが、あんなものにお金を落とすのは愚の骨頂であると僕は考えている。月謝は幾ら位なのだろうかと調べてみると、1回につき4000円ほどだそうだ。月に3回行くとすれば、12000円。かなりの痛手である。
その金を1円でも食材費に回せば、豪勢な食事をこしらえることが可能である。
レシピが分からないという人もいるだろうが、今はネットで何でも調べられる時代だ。
レシピサイトのクックパッドなどを参考にすれば、それなりに凝った料理さえ調理可能だ。また、ユーチューブなどの動画サイトにも調理手順を動画で投稿している人もいるので、それを観ながら同じように作れば美味しいゴハンを作成可能だ。
自分で料理をするようになると、外食の時に様々なことを考えるようになる。
値段が気になる。
んー、この値段でこの味か。とか、これなら自分で作った方がいいなとか。
料理と値段の関係を冷静に分析できるようになる。
自分で料理をする習慣がない内は、それが高いのか安いのかあまり分からなかったりする。
自分で作りたい品に出会える。
これはいいレシピだ。と自分が料理するときに作りたい品と出会える。
自分で料理する習慣のない人だと、また食べに来ようで終わるが、自分で作るようになると、よし、これに負けない位の品を作るぞと、目標が出来、それもまた楽しかったりする。
■ネットラジオをする。
インターネット上には自分でリアルタイムで動画を配信するサービスが多数存在する。
そして、それらは無料である。
それを利用して、自分でラジオ番組を作るのだ。
個人でやっているため、何のしがらみもなく、好き勝手に話が出来、また、それに賛同する人が集まってきて、面白いコミュニティを築く事ができる。
また、一定数観てくれる人が集まれば、オフ会だって開催可能だ。
自分のチーム、組織を組めるようでなかなか楽しいゲームとなるはずだ。
かくいう自分もかつてネットラジオにハマっていたことがある。
その時の経験が何の役に立っているかの実感はないが、面白い人々と出会え、様々な遊びに参加出来た。
わざわざ、外に出なくとも、部屋の中で人との出会いのキッカケを作れる面白い時代となった。
ちなみに、これは、ネットが利用できる環境と、パソコン、スマートフォンさえあれば実現可能だ。初期投資だけすれば、無限に楽しむことが出来るのだ。
■本を読む。映画を観る。
これもまたリーズナブルな上に楽しい娯楽だ。
本は、図書館で借りる、ブックオフを活用する、読書仲間に本を借りる、こういうことを徹底すれば、かなり安く楽しむことが出来る。
その上、一冊読むごとに、自分の中に、知識、作者の経験が、溜まっていき、面白い人間となれる。
本を読めば読むほどに、豊かな着想を持つ、魅力ある人間となれる。
また、映画を観ることも同じだ。
図書館でDVDを借りる、TSUTAYAなどでレンタルする。
これなら、かなり安く楽しめる。映画館に1回行く値段でかなりの本数の作品が観れる。(まあ映画館もかなり安いと思うので、そこまで徹底してお金を遣わない選択をする必要はないが。)
映画を観ることも、自分を豊かにする大切な経験だと思う。
SF映画など観れば、将来こんな世の中になるのかもしれないと、未来を予測する力が身についたり、偉人のノンフィクション物を観れば、こんな魅了的な人が居たのかと、世界の広さを実感したりする。
そういう、驚きが人間としての深みを作っていくと考えている。
■キャンプをする。
今年、人生で初めてキャンプをしてみた。
初期投資が少し掛かると言えば掛かるが、ただ、テントを張り、寝に行くという事をするだけであれば、そんなに揃えるべき品も少なく済む。
また、最初にお金がかかるのみで、そのあと継続的に出費があるというわけでない。流行を追って何度も買い換えるような商品でもないため、一度買えばそれで済む。
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自分は、ちなみにこのテントを買った。ゆったりサイズで、かなり良い。
テントの中で一夜を過ごすというのは、最高に幸せであった。
ランタンの明かりの下で、本を読み、風の音と、虫の声を聞きながら、寝袋に潜り込む。人間は何処でも生きていけるし、本当に必要な物もわずかでいいんだなと、いうどこか達観した気分となった。
また、近々キャンプに行こうと思っている。
■ブログを書く。
はい、いよいよ登場です。ブログを書く。
これが僕の最近の中で一番のお気に入りの遊びである。
ブログは、自分の中身の生き写しのようなものであり、自分自身でもある。
自分の中から出てくる言葉をそこに並べていき、自分の城を築いていくような感じだ。
この感覚はブログを書いている人にしか味わえないと思うので、なかなかに説明し辛い。
とりあえず、ブログを書くのは無料であるし、ネット環境とPCもしくはスマホなどがあれば可能だ。
このように、お金を遣わない遊びというのは沢山ある。
僕が最近面白いと思っているのは、これまでに書いてきたようなことだ。
これからも、もっと色々挑戦していきたいと思う。
現代では、消費する面白さが、面白さの中心におかれがちだが、いかに消費しないかということが、実はとても面白いのだ。
これは齋藤孝先生の『<貧乏>のススメ』 という本の中のフレーズだ。
いかに消費をせず、面白く生きていけるかに挑戦してみてもらいたい。