「趣味は読書です」
僕はこう言うのは恥ずかしい。
じゃあ、何て答えてるのかと問われれば、「読書です」といっています。としか返せない。
だって、それ以外に継続してしている事が無いからだ。
ところで、そもそも趣味という言葉の意味するところは何なのであろうか?
ウィキペディアから引用させていただく。
人間が自由時間(生理的必要時間と労働時間を除いた時間、余暇)に、好んで習慣的に繰り返しおこなう行為、事柄やその対象のこと。
なるほど。自由なときに習慣的に繰り返しおこなっている行為か。
ならば僕はここ数年、本を読む意外の遊びをしていない。
習慣的にしていることと言えば、読書意外には料理と映画鑑賞位しかない。
さて、趣味という言葉の意味が分かったところで、なぜ僕が読書を趣味と言うのが恥ずかしいかについて述べたい。
■読書が趣味というと、まるで無趣味な人間のように思われる。
まず、本が好きです。という話を出すと、大抵の場合「へー」という感じで流されて終わりってのが多い。
スポーツはしないの?とすぐさま切り返される。
なぜ、スポーツに話がいくのか。僕は読書と答えたのに。。。となる。
読書や音楽鑑賞てのは、趣味が無い人間が、とりあえず、何も無いと云うのは恥ずかしいと思いから言っている場合が多すぎる。
なので、真に読書が趣味の人間からすると誠に迷惑な話なのだ。
■「○○読んだ?」と聞かれるのが怖い。
読書ですと答えると、「じゃあ○○読んだ?」と返される。
そして、だいたいその訊ねられた本を読んでない事が多い。
「いえ、読んでないです」と答えれば、話が終わってしまう。でも、本当に読んでないのだから、読みましたなんて言えない。
(なんだ、読書が趣味って言う割には○○も読んでないのかよ)と腹の中で思われてそうで怖い。
■世の中には読んでない本が多すぎる。
現在、新刊は約 200冊出ています。これは毎日の数字です。
1ヶ月にすると約 6,000冊、年間にすると約 7万冊もの新刊が出ています。
本がどれ位出版されているのかを調べてみたところ、一ヶ月で6000冊という数が出てきた。
毎日どのくらい本が出るの?:【 FAX DM、FAX送信の日本著者販促センター 】
こんなペースで新たな本が続々と作られ続けているだなんて驚きだ。
幾ら本を頑張って読み続けたところで、一生追いつかないではないか。
何年も掛けて本を沢山読んでも、一ヶ月分にも満たないだろう。
そんな事を考えると、読書が趣味ですと言うのをためらってしまう。
読んでない本がこんなにも世の中にはあるのに、堂々と読書ですなんて言って良いのだろうかと思ってしまうのだ。
■おしまい。
恥ずかしいと言いながらも、僕は趣味を訊ねられれば、読書と答えている。
なぜなら、それくらいしか、堂々と言える趣味が無いからだ。
他にも興味のあること、好きだったことはあるにはあるが、継続してやっているか、習慣的にやっているかというとそうでもない。ならば、それを趣味と言って良いのか分からなくなる。
以前読んだ高橋さんの『趣味は何ですか?』という本でそういう話題が出てきた。
高橋さんも趣味という言葉に苦しめられ、何か人に堂々と言える趣味を作らないとと、色々挑戦しては挫折してを繰り返していた。
趣味という言葉に悩んだ経験のある人なら楽しめる本だ。