世の中、なんでも急ぎ過ぎだと感じる。
短期的に結果を求めたり、誰かにすぐに解答を訊ねる。
悩み続ける人間は優柔不断だの、決断力不足だのと責められる。
ファスト的な人間が増えることで世の中から深みは消え去る。
すぐに報酬を得られるソーシャルゲームなどに興じるモノが年齢関係なく増加することで、リターンを即刻得られる状態が当たり前に感じてきているのだろう。
我慢がならないのだ。
待つ事が出来ない。
じっくりと囲碁や将棋の如く次の一手を考えるのに長い時間を要するなど耐えられないだろう。
スピードが大切だ。
何よりもスピードが大切なのだ。
この意見に賛成でもある。
しかしながら、だるいだるいとサボって時間を掛けているわけでない。
あれこれと様々な可能性や、やり方を多面的に考えて唸り続けることことで時間を要しているだけなのだ。
やーめたと手を抜いたり、誰かが最善策を見つけるでしょう、ボカァ知りませんよと知らんぷりを決め込んでいるわけでもない。
こうなったらどうしたらええんや、あれならどうかな、と激しく身悶えしているのだ。
そうこうやってやっとひねり出した解が例えしょっぱなに言ったことであろうと、その重みは異なる。
あらゆる事態を予測してみた上でも、最初の手が一番自分にしっくりきたこととなる。
だから最初から言ってるだろ!なんてそれに対して憤ってはならない。
結果ばかりに目をやってプロセスや背景を全く見ようともしない人間はペラペラのペランである。そんな薄っぺらい人間は裂きイカの如く網の上でじっくり焼いて燻製にしてやりたい。
優柔不断な人間でありたい。
- 作者: エリックシュローサー,楡井浩一
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2001/08/09
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