久々の衝撃の一冊であった。
- 作者: 園子温
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2012/10/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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皆は、園子温という監督を知ってるであろうか?
(あくまで独断と偏見です)
フィクション映画ではあるが、どの作品も一応元ネタは存在し、周囲の人間のことや、自分自身のこと、実際にあった殺人事件などを題材に扱っている。それに自分の妄想を加え、独特の世界観を生み出す。誰にも真似できないような作品ばかりだ。そのため、かなり好みは別れると思う。
さて、僕が今回この『非道に生きる』に注目したのには訳がある。
この本の中で何度も登場するフレーズ、非道に生きる(刹那に生きる)に衝撃を受けたからだ。
流行にのったり、世間体がいいことをしようとしたりといった、誰でもするようなことを一切せず、自分を貫いて生きてきたから今があるというよなことを語っていた。
自分自身を楽しませるために映画を撮ってきたとまで言い切っている。
そう、まさに非道に生きてきたのだ。
なるほど、なるほどと非常に頷けた。
僕は、全くと言っていいほどに非道でなかった。やりたいこと、したいことは、なんだろうなと漠然と思いつつ、頭に浮かび上がることは、体裁のいい綺麗な言葉ばかりだった。
周囲に何したいの?と聞かれた時にカッコいいようなことや、頭の良さそうなことを言おうと必死だった。
これではダメだ。自分の言葉で無い。周囲が用意してくれてた言葉でしかないぞと気が付いた。
そこで「したいこと」「夢」といった綺麗な単語でなく「欲望」の一言で考えることにした。
その瞬間、自分の中からドロドロした希望が湧いてくるのを実感した。
そうだ、これだこれだ!と、初めて心の底から思えた。
これが非道(刹那)に生きるという感覚なのではなかろうか。
誰のための人生でもない。
自分自信のためだ。
そのことを再度、思い浮かべ生きてもらいたい。
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俳優陣の名演技に圧倒される一作。特にでんでんの演技には眼を見張るものがある。
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非常にコミカルで、これまでの園子温の作品の雰囲気とはまた違ったものがある。ストーリー性も高く、面白い。