村上春樹氏の小説に初挑戦した。
読んだのは『ノルウェイの森』
1000万部超えの大ベストセラーであり、村上春樹氏の代表作だ。
映画化もされている。
発行日は1987年。僕の産まれた年であり、28年前の小説なんて微塵も感じさせない位に、古臭さが無く、むしろ新しい小説のような感じがした。
全く何の予備知識も無く読んだ為、まずは設定が日本だということにも驚いた。
どこの国かいつの時代か分からないような、ファンタジーに近いような小説家と思っていた。まあ、タイトルにノルウェイとついている位だからとりあえず、国外の話だと思っていた。
あとは、暗く湿った森の奥でひたすら男女が性行為を繰り返す小説だと思っていた。
(これはある程度当てはまってはいるが。。。)
多分この印象は、朝のワイドショーか何かで、『ノルウェイの森』の映画の番宣を観た記憶からだろう。
あまり、小説自体に其の頃は興味が無かったので、全く手にとってみようと思わなかった。そもそも村上春樹自体知らなかった。
確か、高校の時に、『海辺のカフカ (上) (新潮文庫)』を読んでいるクラスメートがいたが、それが何なのか全くどうでもよかった。
だが、今回『ノルウェイの森』を読んでみて、村上春樹の独特の世界観に圧倒された。
独特の世界観て言葉は月並みでつまらないが、本当にそう感じた。
これは努力でどうこうなるものでなもなく、才能なんだろうなと思った。
今回読もうと思ったキッカケは『職業としての小説家』を買ったことだ。
以前より小説家になりたいという願望があったので、ベストセラー作家なら何か面白い考え方をしているのではと思い、手にとった。
その中で村上氏は、何となく書いたらデビュー出来たと書いてあり、自分でなろうと思ったわけでなく、出版社から声が掛かったことにより、作家になったという話をしていた。
んー、やはりこれは才能としか言えない。
で、その才能がどれほどのものかを見てみたくなり、小説を読んでみたのだ。
とりあえず、読んだ感想としては、よくもまあこんなに女の子の気持ちが分かるな。というもの。
ああ、確かにそうかも。そうか、あの時はこう思われていたのかとか、そうかこの態度にはそういう意味があったのかとか、勉強になった。
僕もこの主人公同様に、ぼーっとなるというか、自分の世界に入り込んでしまう癖があり、きちんと相手を見ていないことがあるように感じる。
いや、自分としては見ているのだが、相手にしてみれば、何も見てくれていないと感じさせているのではと思った。
しかしまあ、小説というものは全てが仮説であり、真実なんて無いのだが、きっとこれが真実なのだろうと思わせる強い力を持っていた。
昨日読んだ『村上さんのところ』という村上氏の期間限定サイト上で行われた読者との質疑応答をまとめた、本にも女心に対する質問が来ていた。
どうしてそんなに女の子の気持ちが分かるのですか?という読者の質問に対して何て答えていたかは覚えてはいないが、他の人もそう思っているということが分かった。
今回『ノルウェイの森』を読んだ事をキッカケに、他の作品にも手を出してみるかは分からないが、読んでみて良かったなと思った。