本を読めばイケメンになれると、ビジネス書のベストセラー作家、千田琢哉氏が以前、書いていた。
そんな事はあるのだろうか。
ただ、古書マニアの岡崎武志氏が言うように、
本読み、本書きは渋みのある良い顔つきであることは認めざるをえない。
「男の顔」は読書が作る。
たとえば、加藤周一、中村真一郎、福永武彦。いずれも戦後文学を支えた知の巨人たちで、和漢洋といずれの文学にも精通した本読みとしても知られる。
三人とも美男子というわけではない。
しかし、共通するのは、年を経るにしたがってだんだん風貌に深みが加わっていることだ。
「知」の力が、男の顔にある種の魅力を与えることは、古今の読書家たちの顔ぶれを見る限り疑いの余地はない。
確かに、それは言えている。第153回の芥川賞を受賞した又吉直樹氏も確かに深みのあるいい顔をしている。(あの人はイケメンではあるが。)
本を読み続けていると、頭を常にフル回転しているため、何かしらの良い影響が顔にも出てきているのだろう。科学的根拠があれば知りたいものではあるが。
街なかで、明らかに本を読まないであろう人種を見ると皆、非常に残念な顔をしている。
見た目にはイケメンの部類であるような人物でも、何だか薄っぺらいというか、中身の無さそうな、何も考えていないような、教養の無さが顔から滲み出てたりしている。
(かなり偏った意見ですが。)
そういう人たちによくある特徴、傾向としては、見た目でどうにかして、周囲に差をつけたいというか、凄みを出そうとしているフシがある。
奇抜なファッションであったり、量産型の大学生スタイルであったり。
これは間違った方向に走り出した、中高大生にありがちなものである。
必死に自分の中身の薄さを隠そうと強がっているようにしか見えない。
何をそんなに恐れて生きているのか、なにと戦っているのか問いたくなる。
自分を隠すこと、大きく見せることに、精一杯としか思えない。
少しでも、何かしら自分の内側を育てることを始めてもらいたいと思う。