人を成長させるのは、本と人と旅ときく。
最近ならば、出口治明氏の『人生を面白くする 本物の教養 (幻冬舎新書)』
。この著の中で、その3つについて言及されていた。
小池一夫氏も同様の事を以前、『「孤独」が人を育てる 小池一夫 名言集 (講談社+α新書)』の中で述べていた。
これは事実であり、人を多いに成長させる三要素なのは間違いないのであろう。
しかし、本はいつでも手にすることが出来、時間的拘束も少ないのだが、
人と旅はある程度時間を要し、また、一手間掛かってしまうという煩わしさを伴っている。
なので、なかなか実行に移すことが出来ず、3本の矢を手にすることが出来ずじまいで、月日が流れていくという事は起きやすいだろう。
だが、僕が思うに、本だけでもある程度は他の二要素について補充できているのではと、ふと思った。
先ほど購入した、宮田珠己氏の『旅するように読んだ本: 墨瓦鑞泥加書誌 (ちくま文庫)
』
この本のタイトルを観た途端、そうかと勝手に納得させられた。
宮田氏は旅と同じく、様々な国へ冒険するかのような心持ちで本を読んでいるという事を語っていて、確かに読書とは旅だったなと改めて考えさせられた。
そうなってくると、同時に本を読むことは、様々な人と出会うことでもあるなと思えるようになってきた。
以前から、読書とは著者との対談であるという言葉は知ってはいたが、あくまで、著者と自分との1対1の関係と考えていたが、もっと広く考えていいと感じた。
其の本の中に様々な登場人物(実在、空想問わず)が出てくるわけで、その1人、1人との出会いの場を、一冊の書を通して得ていると思ったのだ。
ああ、そうか本は人でもあり旅でもあるのか。
そう考えるようになると、余計に読書が楽しくなるのではなかろうか。