世の中のあらゆることは確率の問題なのだよ。
仕事で以前は失敗が少なかったのに、今更になってミスが増えてきたと悩んでいる人がいるとしよう。
なぜ、最初は失敗が少なかったのか。
まず、考えられるのは精神面での影響。
しっかりやらねばと気を引き締めているので、ミスが少ない。1つ1つ丁寧にやることを心がけているので正確に作業が出来ている。
長期化すればするほどに、おざなりになり粗が目立ってくる。
確かにこれも要因として考えられるし、当然に影響力がでかい。
しかし、もっと根本的というか広い範囲に目を向けて考えてみる。
失敗の原因は確率の問題なのだ。
学生時代に確率を数学で習ったことであろう。
確率とは、同じ条件の元で何回も実験や観察を繰り返した時に、特定の結果がどれくらいの割合で起きるかというもの。
確率は、起こりうる全ての結果のうちに特定の結果が起きる割合を計算する問題である。
確率の問題を具体的な数学の問題で考えよう。
簡単な例題を挙げる。
問:サイコロを1つ投げた時に幾つ奇数の目が出る確率を求めよ。
まず、サイコロには1から6までの目がある。
出る数字は6パターンあるという訳だ。
そのうち奇数の目はいくつあるか?
1,3,5の3パターンである。
起こりうる全ての結果は6パターン。
求めたい結果は3パターン。
よって、3/6となる。つまり1/2。
二回に一回の割合というわけだ。
例題の話が長すぎだ。本題に帰る。
働く期間という全体の割合が伸びれば伸びるほどに、その内に起こりうる失敗の割合が高まってくる。
働く期間が短いうちは、たまたま成功の方を引いていたに過ぎないのだ。
何回も、何回も繰り返すうちに失敗の方を引く確率は高まってくる。
そう考えると失敗してもしょうがないかなと思えるし、無駄にその事実を引きずって落ち込むことはなくなるだろう。
まあ、反省は必要なんだけど後悔はしなくて良いと思う。
うまくいったって、失敗したって結構は確率の問題なのだ。
本人の努力とか誠意とかそういうのも少しは関係してくるけれど、それよりも運の要素のほうが強い。
対策としては、一回一回のことを気にしすぎずに淡々とこなして生きていくってことかな。