趣味が写真ならば一眼レフカメラを首から提げて持ち歩きパシャパシャと撮って楽しむのだろうが、特段興味もなく煩わしいのでそんなこと
しない。
せっかく高価なカメラを買ったにも関わらず一年以上放置している。
では、手軽に撮れるスマートフォンならば撮ることを実行するかといえばそうでもない。
わざわざ撮る気になれない。
遠方に出かけいい景色を見ても、いいなと一言腹の中でつぶやいておわる。
外食をしてもすぐに手を付けて写真を撮ることをしない。
何処かへ誰と出かけようと滅多に撮ることはない。
そもそも皆、写真を撮りすぎなのだ。
もっとその瞬間というか、そこにある物に目を向けるべきである。
高橋しんの漫画で『最終兵器彼女』という作品がある。
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彼女(ちせちゃん)が軍に兵器に改造されるというギャグマンガ的な作品であるが、中身はシリアスな真面目ストーリー。
その漫画のなかで、主人公とちせちゃんが夏祭りに出かける。
何気なく主人公がちせちゃんの浴衣姿の写真を撮ろうとする場面がある。
しかし「写真は撮らないで。今の私だけを見て」と、ちせちゃんは撮影を断る。
今後、兵器としていつ戦地に向かうことになるかもしれない。なので、いまこの瞬間のことだけに目を向けて欲しいとの意味である。
写真は過去を未来に繋ぐもので過去のワンシーンを切り取り、それをいつでも見ることが出来る。
確かにその時を見ているのだが、それは絵に過ぎない。それを見たところで記憶の再編の補助にしかならない。いや、むしろ写真など無い方が美しい記憶になるかもしれない。
つまりそういうことなのだ。
色あせていく記憶の中に仕舞い込むことで過去は美化され、また素晴らしきものになる。
なんでも記録としてただ写真を撮るのでなく、しっかりと自分の目でその瞬間切り取るほうがよい。
なので僕は写真を撮らないのだ。
決して、面倒とかではない。
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