金が消える。
金は雑に遣えば遣うほどに瞬く間に消えていく。諸行無常。
しなくても良いような外食を繰り返し、ほんの不注意により駄目にした日用品、衣類の補填のために金をはたいていくことで預金は寂しくなる。
何のためらいも無く遣えるほどに金が手元にあればなあという望みを持つこともあるが、金が幾らあろうとも無駄としか思えぬ支払い、遣い方をしてしまえばこの感覚は拭えない。
自分の心が一番安定する生活は図書館へ行きひたすらに本を読みふけり、それに飽きたら上限一杯に借りて帰る。そしてその帰路の途中、スーパーマーケットに寄り、食品を買い込む。これが理想の休暇の過ごし方である。
個人的にはとても面白い流れであるが、他人から見れば実にツマラナイ退屈極まりないものである。
よって、恋人と同様の過ごし方をするわけにもいかず、暇を埋めるためにあれやこれやと金を遣っている内に、自分の理想と掛け離れた過ごし方をする羽目になる。
しんどいと思うときも多々あるが、そんなものなのでしょう。誰かに合わせて過ごすことは面倒な作業である。
1人でいくらでも面白く過ごせる人間であるものは、結婚などしないほうがいいのであろう。