思考拡張日記。

日々感じたこと、学んだことを文章にしています。

野尻抱介氏の「ラノベは読むな、消えてなくなれ」発言について。


SF作家の野尻氏がツイッターにて、ラノベばっかり読んでちゃダメだ、との話しをしていた。

ライトノベルとは何か。

ラノベとはライトノベルの略称である。
ライトノベルとは、半分漫画みたいな小説のものである。

電撃文庫や富士見ファンタジア文庫などが該当する。

表紙には美少女イラストが描いてあり、多数挿絵が入っている。
また、中身としては、ほとんど会話文で文章が構成されている。間接的な心理描写が薄く、直接的な表現で感情を表していることが多い。

僕は、中学生2年生から高校1年生に掛けてラノベにハマった。

中学生になったら読むな、と野尻氏は述べているが、僕は中学2年になってから初めてラノベの世界に飛び込んだ。

オタク率の高い学校に通っていたので、クラスメートにラノベを愛読している連中が結構いたのだ。
漫画本だと、学校に持ってくるのが禁止されているが、ラノベだと一応は小説の扱いなので、持ってくることが出来る。よって、流行っていた。

初めて読んだのは電撃文庫の『ブギーポップ』シリーズ

ブギーポップは笑わない<ブギーポップ> (電撃文庫)

ブギーポップは笑わない<ブギーポップ> (電撃文庫)

内容は、特殊能力を持った学生たちが、世界を裏で操っている組織と戦う、みたいな厨二病爆裂な小説である。
登場する人物たちは、上手く人生をまわせていない、沈みがちな学生ばかりで、なんだか親近感をすごく持てて引き込まれた。
自分も実は特殊な力を持っていて、そのうち世界に狙われるのでは、みたいな妄想を少しだけ抱きつつ、読書にはげんでいた。


ラノベを回し読みしていた。

ラノベは毎月の発売日が決まっていたので、その日にはクラスの連中が本屋へと向かい、様々な新刊を入手してくる。
なので、ひと月に10冊以上は読むことが可能だった。いや、もっと読んでいたかもしれない。
家でも学校でもずっと読んでいたので、ラノベことをよく分かってない人たちからは凄い読書家なんだなと思われていた。うちの親もそう考えていた。


読解力は身につくのか?。

さて、それだけラノベを読んでいたら、読解力など身に付いていくんじゃないかと思われるかもしれないが、はっきり言っておこう。

読解力は身につかない。

まず、読書にある行間を読むという作業を必要としない。よってアレコレと読み取る工程が省かれる。

また、会話主体でポンポンとストーリーが進むので、少々雑に読み飛ばしても内容は簡単に抑えられてしまう。
情景描写などは本筋と関係のない部分にばかり力を入れているので、読もうが読むまいがあまり大差ない。まどろっこしいというか、独特の言い回しが強い。


読書体力はつかない。

フィクション、つまり小説のみ読書する人間は総じて読書体力が極端に少ない。
結構、読書家なんですと豪語している人でも、ノンフィクション作品に対してはアレルギーの如く、手をつけられない。


偏った読書しか出来なくなる。

僕は、ラノベばかり読んでいたことによって、一般書を読むことに対する抵抗感が強く出ていた。知識の無い人にでも分かりやすく伝えるための新書でさえ、読めなかった。
重厚なノンフィクション作品なんぞ、とてもや手が届かなかった。


まとめ

ここまでの流れでいくと、ラノベなんか一切読まないほうがいい、みたいな感じになっているが、中学生の頃に読むことは別にいいと思う。
読むにしてもラノベだけでなく、一般書も並行して読む習慣を付けておいたほうがいいかもしれない。

ラノベは厨二病な人間をうまく釣るようなストーリーが多いので、おおいに釣られて妄想の世界に興じることも良いことだと感じる。
ラノベはスナック菓子みたいな存在なので、メインの食事を大事にしつつ、暇な時に手に取る程度でいこう。




因みに野尻氏はラノベ作家であり、多数執筆されている。ジャンルとしてはSF作品を書かれている。ラノベといいつつも本格派なSFなので、しっかりとデータを取った上で、作られている。

【オススメの作品、一覧】

『南極点のピアピア動画』

南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)

南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)

ボーカロイド、初音ミクを題材にした作品。
ニコニコ動画を利用していた事がある人だと、うまい具合にニコ動を皮肉っている辺りとかが分かる。

ストーリー

日本の次期月探査計画に関わっていた大学院生・蓮見省一の夢は、彗星が月面に衝突した瞬間に潰え恋人の奈美までが彼のもとを去った。省一はただ、奈美への愛をボーカロイドの小隅レイに歌わせ、ピアピア動画にアップロードするしかなかった。しかし、月からの放出物が地球に双極ジェットを形成することが判明、ピアピア技術部による“宇宙男プロジェクト”が開始される―ネットと宇宙開発の未来を描く4篇収録の連作集。


『ふわふわの泉』

ふわふわの泉

ふわふわの泉

科学部の女子校生が、偶然、未知の物質を発見する話。

近年、科学オリンピック等で国内の高校生たちが入賞するなど、活躍がめざましい。
世界的に評価される10代が今後、どんどん増えていくのだろう。

ストーリー

浜松西高校化学部部長、浅倉泉のモットーは、“楽に生きたい”。文化祭を目前に控えた泉は、ただ一人の部員保科昶と展示物質を生成する化学実験を行なっていた。だが、その時、学校に雷が直撃!実験が失敗したと落胆する泉の目前には、空気中に浮かぶシャボン玉のような粒子が生まれていた。ダイヤモンドよりも硬く、空気よりも軽いその物質に泉は“ふわふわ”という名前をつけ、一儲けしようとするのだが...。


他の作品もオススメなのだが、上記の2冊が導入書として良いのではと考える。



おわり。