世の中は文字に溢れかえっている。
現代人の片手に常に握られているスマートフォンの中には無限に文字が詰まっている。
ニュースサイトからは引っ切り無しに新しい情報は流れてくる。
ブログやTwitter、Facebookからも見れば見る程に、言葉や文字が限りなく流れていく。
情報の洪水のなかを溺れかけながら進んでいく状態になる。
街中を歩けば、電車に乗れば、そこにも多量の文字は存在する。
だんだんと分からなくなってくる。
正しい言葉とは何なのだろうか?
必要とする情報はどんなことなのだろうか?
それらを組み合わせて、自分というフィルターを通した末に、どのような表現が出来るのだろうか?
言葉が増えれば増える、本当に自分が伝えたいこと、言いたいことは不明瞭になっていく。
表現力、文章力、感性、語彙力、構成力。
そういったノウハウ的な面においての不安も出てくる。
自分なんかに、何を書けるのだろうか?
どんなことを言えるのだろうか?
そうやって悩みながらようやく出てきた言葉も、すぐに文字の洪水のなかに呑み込まれていく。
まるでハナから存在しなかったように、跡形もなく。