自分よりも一回り近く年下の世代がベンチャー企業の経営者として成功し、ケタ違いの収入を手にしているという現実がある。
ニュースアプリを見れば、そんな人たちが山のように登場し、会社では耳にすることのない情報が飛び交っている。
自分が生きてきた世界とは違う世界で成功している人がたくさんいる。
これまでに社会的に成功とされてきた、一流大学から一流企業への就職の路線が、今後も成功像であるかへの疑問。
その違和感は正しい。
人工知能(AI)技術の高度化で、今後は多くの職業がAIに取って代わられるという。
その先が読みにくい時代を生き抜くためには、どのような子育てが必要なのか?
本書は、AI時代の子育てについて論じられた本です。
- 早く好きなことを見つけさせる
- 忍耐力はムダでしかない
- 好きなことを、好きなだけさせる
- 「遊ぶ」「学ぶ」「働く」の区別がなくなる時代
- 本人が楽しんでいることは、他の人にも楽しさが伝わっていく
- 他のおススメの書籍
早く好きなことを見つけさせる
本書で一貫して主張されていることは非常に明確です。
早い段階で好きなこと、ハマれるを見つけさせる。
そして、寝食を忘れるほどに没頭できるものに出会えたのであれば、それを追求させること。
才能、興味がないものを強制してもムダでしかない。
これに尽きます。
忍耐力はムダでしかない
1度始めたことは、なんとしても続けさせる、これほど最悪な教育はない。
と著者の成毛氏は論じています。
やりたくない子に無理やり習い事を続けさせるのは、無意味である以上に有害である。
根性論が通用したのは、昭和期のつくれば売れた時代の工場労働の世界だ。
根性で何かをなす物語は、昭和の時代に終わっている。
根性論は時代錯誤もはなはだしい。
合わないことを強制している間に、本当に合うものを見つけ出す機会損失にもなっています。
好きなことを、好きなだけさせる
子供の頃は、あえて仕事に結びつけないまま、好きなことに熱中させるのがベストである。
まずは熱中することを覚えるのが肝心である。
熱中するというトレーニング、後々役立つことになる。
熱中する感覚を覚えさせることは非常に大切だなと自分も感じています。
ハマるものが1つあれば、他のことを学習する際にも応用が効くようになるなと感じています。
そして何よりも、自信がつくという大きな利点も挙げられます。
「遊ぶ」「学ぶ」「働く」の区別がなくなる時代
遊ぶこと、学ぶこと、働くことに区別のない三位一体型の生き方が主流になっていくと思うんです。
マンガを読んでいることは一見すると「遊び」だけど、それを評論して報酬を得たら「仕事」になるし、マンガを読むことに「学び」の要素も入ってくる。
遊びを極めることが、将来の仕事につながると思う。
これは、本書の中盤で対談者として登場する堀江貴文氏の発言です。
たしかに仕事と遊びの境界線は、今の時代では存在していないですね。
その事実に、ひと世代前の人々はいまだに気付いていない感じは拭えません。
なんとなく違和感に気付いていながらも。
嫌なことを無理やりに続けて、根性で働くことが仕事である
この思い込みから抜け出せていません。
本人が楽しんでいることは、他の人にも楽しさが伝わっていく
好きでもないこと、楽しくないことを続けていても周囲の人にも面白そうには見えません。
楽しんでいる姿を見せるは大切です。
そして、それがすぐに収入につながらなかったとしても、いつどのタイミングでお金になり始めるかは分かりません。
本書は、子育て論といいながらも、自分の今後の生き方、働き方についても見つめ直すキッカケを与えてくれます。
- 作者: 成毛眞
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2018/06/06
- メディア: 新書
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他のおススメの書籍
成毛眞氏の本は、他の作品もすべておススメです。数多く出版されていますが、その中でもAI関連に特化した本を紹介させていただきます。
『黄金のアウトプット術』
(148)黄金のアウトプット術: インプットした情報を「お金」に変える (ポプラ新書 な 9-1)
- 作者: 成毛眞
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2018/04/10
- メディア: 新書
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ネットを利用して、お金をどう稼いでいけばいいか。どうアウトプットしていくべきかについて学べる書です。
『発達障害は最強の武器である』
- 作者: 成毛眞
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2018/02/06
- メディア: 新書
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ここ数年は発達障害を取り扱っている書が増えています。著者の成毛氏自身も、発達障害者であるそうです。
それが仕事においてプラスに働いているという面白い話が読めます。
『理系脳で考える』
- 作者: 成毛眞
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2017/08/10
- メディア: 新書
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今後の時代を生き抜くには、理系脳である必要があると言われています。
新しいことに興味を持ち、型通りの生き方に違和感を感じている人は読むべき一冊です。
『AI時代の人生戦略』
AI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である (SB新書)
- 作者: 成毛眞
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2017/01/06
- メディア: 新書
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上記の理系脳と関連した書です。
◎STEAMとは、
サイエンス(科学)の「S」
テクノロジー(技術)の「T」
エンジニアリング(工学)の「E」
マセマティックス(数学)の「M」
+アート(美術)の「A」――を意味する
数字を扱うことに慣れること。最新の科学技術に興味関心を持つこと。芸術や文学、歴史、プログラミングなど幅広い知を深めていくことで、生き残れる人になっていける。
これらも併せて読んでいただくことで、より理解が深まるのでは思います。