どうも、あびこです。
2018年12月08日(土)に湘南T-SITEにて開催された、
冒険家の角幡唯介(@kakuhatayusuke)さんのトークライブに参加してきました。
本屋大賞ノンフィクション本大賞受賞記念トークショー <br />角幡唯介『極夜行』ができるまで。 - 湘南T-SITE
◆角幡唯介さんとは?
ノンフィクション作家、探検家。1976年、北海道芦別市生まれ。
早稲田大学政治経済学部卒。同大探検部OB。
二度のチベット・ツアンポー探検を描いた『空白の五マイル』で10年に開高健ノンフィクション賞、
11年に大宅壮一ノンフィクション賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞した。
次作の『雪男は向こうからやって来た』は12年に新田次郎文学賞受賞。
『アグルーカの行方』は13年に講談社ノンフィクション賞受賞。
18年に発表した『極夜行』で第1回Yahoo!ニュース 本屋大賞ノンフィクション本大賞を受賞。
今回のトークライブは、角幡さんの新刊『極夜行』が本屋大賞ノンフィクション本大賞受賞した記念に開催されたものです。
◆『極夜行』の解説
ひとり極夜を旅して、四ヵ月ぶりに太陽を見た。まったく、すべてが想定外だった―。太陽が昇らない冬の北極を、一頭の犬とともに命懸けで体感した探検家の記録。
極夜とは日中でも太陽が沈んだ状態が続く現象のことです。白夜の反対ですね。
その暗闇のなかを、一頭の犬と二人っきりで角幡さんは孤独に歩き続けました。
想像を絶する世界ですね…。
とても真面目で、熱血なお方でした。
重厚なノンフィクション作品を書かれる角幡さん。
角幡さんは、どれも命がけで作られている作品なので、一冊一冊にかかる重みが本当に違います。どの作家さんも一生懸命ではあると思いますが、自分はとくに角幡さんの作品からは命の息吹というか、魂をいつも強く感じます。
なので実際にお会いしてみると、どのような印象を受けるのだろう、とずっと気になっていました。
お会いしてみるとやはり、とても熱いお方でした。
自然と共に生き、自分の生存本能だけが頼りな世界
角幡さんは、GPS、無線機を始めとした文明機器類を一切使用しません。
アナログな道具のみを活用し、自分の力のみで活動されています。
この極夜の旅でも同様に、GPSは使用せず六分儀という天測の道具のみを使われています。一歩間違えれば、死が目の前にあるかもしれない世界で、そこまで自分を追い込んで活動されていることに、とても惹かれました。
はっきり申し上げて、角幡さんにしか出来ない活動だと思います。
常に安全な世界に生きる自分と、生死のギリギリのラインをくぐり抜けてきた角幡さんの様な冒険家との間には、世界を見る目にどれくらいのギャップがあるのだろうと感じました。
セイウチさんは怖い
今回のトークライブで面白かった話は、セイウチのことでした。
セイウチって水族館で見ていると、ショーでダンスをしていたり、ずっとゴロゴロ寝っ転がっているだけのおとなしいイメージがあります。
ですが、野生のセイウチはとても恐ろしいのだなということを知りました。
あの巨大なキバでアザラシや人間を襲うそうです。
角幡さんもセイウチに襲われかけて、命からがら逃げ出したそうです。
やはり水族館や動物園で見る生物の姿は、飼いならされた状況下のことでしかないことを理解しておくことが必要ですね…。
日常で出会えない人に会うと、とても刺激がある
角幡さんのトークライブに参加して思ったのは、普通に生活していても出会えない人に会うことはとても刺激があるなということでした。
世界の広さを知ることができるというか、自分の生きている・目に見えている範囲だけがすべてではないのだということを改めて知ることができます。
参加してよかったなと強く感じました。
また、最後の質問コーナーでは、角幡さんに丁寧な解答をいただけてとても嬉しかったです。
ぜひ、少しでも気になられましたら、『極夜行』を読まれてみてください。
映像版もあります。 文章だけでは伝わらない部分も、映像なら理解できることもありました。 極夜がどれだけ真っ暗なのかとか。