現在、我々は読書をする人が減ったと言われている。
特に若者は読んでいないと。
事実、周囲を見回しても、読書を趣味とする知り合いは数人程度。
だが、それはあなたの見える範囲の知り合いであって、
そこで判断してしまっては、視野が狭いと呼ばざるを得ない。
書店に行ってみれば、若い人たちが、本屋に大勢滞在する姿を見る。
なんだこんなにも本を読んでいる人たちがいるではないかと安心する。
しかし、またここでも罠がある。
本屋に行けば、本を求めている人たちがいるのは当たり前である。
判断を下す場所が変わっただけであり、あなたの見える範囲には変わりない。
『「本が売れない」というけれど』永江朗著(ポプラ新書)
の作中で毎日新聞が読書人口を調査した結果が掲載されていたが、
過去55年ほぼ変動はない。つまり、読書人口は減っていないのだ。
なぜ、読書人口が減ったと言われているかについては、
出版業界の不況が影響している。
出版社が、本が売れない売れないと言い続けている。
そして、その原因を読書人口が減ったからだと結論付け、その情報を我々が鵜呑みにしている結果なのだ。
実際の原因としては、現在の本の過剰供給だ。
次から次へと膨大な数の新しい本が出版されているがために、常に書店には新作が並ぶ。読者はどの本を買えばいいのか分からなくなる。また、どの書店に行っても同じラインナップとなり、買う側の購買意欲を削ぐ。こういったことだ。
なので、それよりも、古いがいい本を大切にする。古本屋や図書館を利用する。
最近は、BOOKOFFでさえも、良書を紹介するコーナーを設けてたりと工夫を凝らしているため、あなどることは出来ない。
ただ漠然と、本を読む人って少ないなーと思うのでなく、このような事実を知っておくことが大切だ。