どうも、あびこです。
『モンスターマザー:長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』を読みました。
不登校の高一男子が、久々の登校を目前に自殺した。かねてから学校の責任を追及していた母親は、校長を殺人罪で刑事告訴する。人権派弁護士、県会議員、マスコミも加勢しての執拗な追及に崩壊寸前まで追い込まれる高校。だが教師たちは真実を求め、ついに反撃に転じた――。どの学校にも起こり得る悪夢を描ききった戦慄のノンフィクション。
恐ろしすぎる、モンスターマザー
ぼくは読むまで、この事件を知りませんでした。読み始める前までは、実際に学校でイジメが起き、それを苦に自殺してしまった高1男子の母親が学校を強烈に攻め立てるだけのストーリーかと思っていました。
ですが実際は、母親はこのタイトルどおりのモンスターマザーであり、まったくもって学校側には非はありませんでした。
世間や常識感をうまく利用したモンスターマザー
常識的に考えて、「学校でイジメがあった」「イジメを学校側が隠蔽しようとしている」「息子はイジメで自殺したんだ」
との言葉を母親が強く放ってしまえば、誰もが学校側がイジメを隠しているに違いない、悪いのは学校だと思うに決まっています。
まさか、この母親が精神的に追い詰めて、子どもを自殺に追いやったなどと思うわけがありませんよね。
事実をねじ曲げ、他人を攻撃していく
このモンスターマザーは、校長、教師、生徒、生徒の親、すべてに悪態の限りを尽くし、有りもしない事実をでっちあげ、そして、おとしいれていこうとします。
悪いのは私以外で、すべてお前らのせいだと叫び続けます。
まともに会話が成立せず、少しでも自分に不利な状況や事実が露呈してしまいそうになれば、巧妙に話題をそらして、別の攻撃手段を見つけ出そうとしてきます。
本当にバケモノとしか言えない人でした。
自分の非を認めることは決してない
悪いのは他人だ、私は悪くない何も。
この思想はいったいどこから来るのでしょうか。
このモンスターマザーはあまりにも極端な事例でしたが、実際に、そのタイプの人はごくごくたまに現れますね。
はっきり言ってそのタイプの人には「近づかない、関わらない」ぐらいしか対処法がありません。
恩を仇で返すのは当然のこととし、徹底的に相手を追い詰めていくことを平然とできる神経を持っていますので、本当にバケモノとしか言えませんよね。
人間ほど残酷非道な生き物はいないものだなと改めて思わされる事件でした。
性善説なんてものはもはや、信じることができなくなります。
そのへんのホラー小説なんかよりもよっぽど恐ろしいので、ぜひ、読まれてみてください。
関連書
「でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相」
「早く死ね、自分で死ね!」二〇〇三年六月、全国ではじめて「教師によるいじめ」と認定される事件が福岡で起こった。問題の小学校教師は、担任児童を自殺強要や凄惨な暴力でPTSDによる長期入院に追い込んだとされ、「殺人教師」とまで報じられた。だが後に、この一連の事実は、児童両親による「でっちあげ」だったことが明らかになっていく…。親の言いなりになる学校、妄信するマスコミ、医師、550人もの大弁護団…病める教育現場で起こった驚愕の冤罪劇。
こちらも、モンスターペアレンツによる事件。
ありもしない教師による虐待をでっちあげて、学校側を追い詰めていく。
この事件もかなり恐ろしいので、合わせて読まれてみることをオススメします。