年末の大掃除を実家ではやっていた。
1年間の汚れを全部取り払うという家族総出でのイベントは嫌いでは無かった。
なんか一体感があるというか、皆で分担して作業していく光景が割と面白かった。
もうその光景も遥か昔のことであり、そんな日がまた訪れることは無い。
父が屋根にあがり、窓を外側から拭いていく姿。
祖母が、和室の障子を貼り直していく姿。
居間では年の瀬の特番がテレビから流れていて、食卓には色々と少し豪勢な昼食が並んでいる。
父は単身赴任で、自分が小学校低学年の頃より全国を転々としている。
母は自営で仕事を行なっていて、日々忙しくある。
年末年始は、唯一ゆっくりと全員が揃っていたと思う。
もう10年以上前の話だな。