男はつらいよシリーズを最近観ている。
男はつらいよの主人公、車寅次郎の魅力について考えてみた。
寅さんはダメな人
行商の旅からふらっと、実家のだんご屋に戻ってきては騒ぎを起こす。
で、結局は怒ってまた旅に出たり出なかったり。
迷惑な存在であることは間違いない。
だけど、本当に嫌ったり憎んだりされているわけではない。
皆に心配されている。戻ってきた時には喜んでもらえている。
旅先で出会う女性たちからは好かれる。
優しく、欲のない人物だからだろうか。
誰にでも分け隔てなく接し、すぐに仲良くなれる。人間的魅力のある人物だといえる。
ヤクザものと言われるように、その日暮らしで、あてもない露天商売で過ごしている。
どこから仕入れてきたのか分からない怪しい商品を並べて。
出会う女性たちは、その自由さに惹かれるのか。
自分をよく見せようと変に取りつくろったりせず、真正面から関わっていくその姿勢を好むのか。
優しさから身を引いていく
寅さんのその不器用さ、口下手な感じは好感度が高い一方で、肝心のところですべてをふいにしてしまう。
相手のことを本気で想うがゆえに、自分なんかではダメだと逃げてしまう。
相手が間違いなく自分に好意をよせていることに気付いていながらも、相手が1番幸せになる道を選んでしまう。
いわば、自分を犠牲にしてしまう。
視聴者側としては、なぜここで逃げてしまうのか?
もったいじゃないかな、と歯がゆい思いをすることになる。
だけど、それが寅さんの優しさなのだ。
全50作を鑑賞し終えるにはまだまだ時間が掛かる。
どれも同じストーリー展開であり、どこから観ても楽しめる。
だけど、前半の作品のほうが寅さんに勢いがあり若々しくある。なので、最初のほうから観ていくことをオススメする。
まずは、第1作目を観てみるといいんじゃないだろうか。
これが1番面白いと今でも思っている。