仕事において必要な知識を本より集めるためには、何に注意したらよいのか?
それについてジャーナリストの立花隆氏が言及している。
これは為になると感じたので、書き記そうと思う。
立花隆とは?
『ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論 (文春文庫)』の83P~より、引用したい。
ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論 (文春文庫)
- 作者: 立花隆
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/03/10
- メディア: 文庫
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「実戦」に役立つ14ヶ条
1.金を惜しまず本を買え。本が高くなったといわれるが、基本的に本は安い。
一冊の本に含まれている情報を他の手段で入手しようと思ったら、その何十倍、何百倍のコストがかかる。
2.1つのテーマについて、1冊の本で満足せず、必ず類書を何冊か求めよ。
類書を読んでみてはじめて、其の本の長所が明らかになる。そのテーマに関して健全なパースペクティブを得ることが出来る。
3.選択の失敗を恐れるな。失敗なしには、選択能力が身につかない。選択の失敗も、選択能力を養うための授業料と思えば安いもの。
4.自分の水準に合わないものは、無理して読むな。水準が低すぎるものも、水準が高すぎるものも、読むだけ時間の無駄である。時は金なりと考えて、高価な本であっても、読みさしでやめるべし。
5.読みさしでやめることを決意した本についても、一応終わりまで1ページ、1ページ操ってみよ。意外な発見をすることがある。
6.速読術をみにつけよ。できるだけ短時間のうちに、できるだけ大量の資料を渉猟するためには、速読以外にない。
7.本を読みながらノートを取るな。どうしてもノートを取りたいときには、本を読み終わってから、ノートを取るためにもう一度読み直したほうが、はるかに時間の経済になる。ノートを取りながら1冊の本を読む間に、5冊の類書を読むことができる。たいていは、後者のほうが有効利用になる。
8.人の意見や、ブックガイドの類に惑わされるな。最近、ブックガイドが流行になっているが、お粗末な物が多い。
9.注釈を読み飛ばすな。注釈には、しばしば本文以上の情報が含まれている。
10.本を読むときには、懐疑心を忘れるな。活字になっていると、何でももっともらしく見えるが、世評が高い本にも嘘、デタラメはいくらもある。
11.オヤと思う箇所(いい意味でも、悪い意味でも)に出会ったら、必ず、この著者はこの情報をいかにして得たか、あるいは、この著者の判断の根拠はどこにあるのかと考えてみよ。それがいいかげんである場合には、デタラメの場合が多い。
12.何かに疑いを持ったら、いつでもオリジナル・データ、生のファクトにぶちあたるまで疑いをおしすすめよ。
13.翻訳は、誤訳、悪訳がきわめて多い。翻訳書でよくわからない部分に出合ったら、自分の頭を疑うより、誤訳でないかとまず疑ってみよ。
14.大学で得た知識など、いかほどのものでもない。社会人になってから獲得し、蓄積していく知識と量と質、特に、20代、30代のそれが、その人のその後の人生にとって決定的に重要である。若い時は、何をさしおいても本を読む時間をつくれ。
以上。
仕事、一般教養のための読書術であると著者は書いているが、これはどんな本を読むにおいても役立つ話であると感じる。
是非、この14箇条を実践してみることを勧める。