世間からのその無言の圧力により、必死に友達を作ることに没頭した。
どれほど集めればいいのだろうか。
集めたとして管理するのは大変に難しい。難しいというか労力が半端ない。
お金、時間、精神。
あらゆるものを持っていかれた。
そこに残る物は何か。
多くの食物を詰めた胃袋と、アルコールにより疲弊した身体。
多くの友に常に囲まれてますとのアピール。
もう、嫌だ。
だめだ。
そんなことは全てどうでもいい。
いや、やらねば。
そうやって生きねば、人で亡くなる。
人の形をした何かだ。
ヒトモドキだ。
そう言い聞かせ、生きてきた。
何のことは無い。
全てを一度捨ててみたところ。
生きている。
ヒトモドキになったかどうかは分からないが、心は平穏であり、実に居心地が良い。快適。
何だったのであろうか。
何とあんなに必死に戦っていたのか。
全ては友達という言葉が悪い。
もう脅迫されるのは真っ平御免である。