人間嫌いになった理由。
これまで人に期待をしてきた。
その結果、絶望を繰り返し人に興味関心を失った。
真に人間好きな人は人間嫌いになるのが当然の成り行き。人間つまり自分にも他人にも多大な期待をしてしまう。自分からも他人からも裏切られ続ける運命にある。
結局はあいつもこいつも馬鹿ばかり。そして自分からがいちばんの馬鹿と結論は決まっている。
哲学者、中島義道先生の本に出てきた言葉が深く刺さった。
もとより、人嫌いであったわけではない。
かつては人と話すことや関わることが好きだった。
この人なら理解してもらえるのでは?
自分と感覚が似通ってそうだ。
仲良くなれそうだ。
などと、10代の学生時代は特に純粋に生きていた。
しかし、「違う」と理解するたびにひどく落ち込んだ。
また、そのように錯覚してしまった自分自身にも失望していた。
何もわかっちゃいない。
いつまでも同じままだ。
俺は永遠にバカなんだろう、と。
誰にも期待しなくなった。
一定の距離感を保つようになった。
自分を含め、人はバカでありつまらないものなのだと自覚した。
己の愚かさや未熟さ、至らなさに少しも気付くことなく他者だけを批判する。
自分の力ではどうにもならないようなことだけに目を向け、努力や考え方次第で変動可能なことに対しては目をそらす。
はなから諦め、何年経っても同じ愚痴を口にしていたりする。
バカなままで生きるしかない。
この世で信じられるのは自分自身のみであり、いかにバカでどうしようもなくても避けることはできない。自分から逃げることは不可能だから。
となれば遠ざけるのは他者となり、孤独のうちに生きていくことを選択するしかない。